まち美化について

人が行き交う街が大好き。
だから街をきれいにしたい

~歩きたくなるまちを目指しガム除去活動に東奔西走中~

東京の路上はこのままでいいの?

世界に名立たる大都市、東京。
だが、ふと足元を見ると路上には吐き捨てられたガムが点々と黒いシミを作っている悲しい現実がある。日本では公共財に対する意識が希薄で、街路・歩道は「まちの資産」という意識が少ない。

だから、まちの路上には捨てられたガムやゴミが目立ち都市景観を大きく損ねている。 中でもガムは粘着性があるために歩道上に残り黒い点へと変化していく。

ガムが作った黒いシミ

そしてガムはガムを呼び、汚いところにはさらにガムが吐き捨てられ、治安が悪くなる。そんな状況を店舗運営を通じ、つぶさに目の当たりにしてきた。
もともと私は衣料品販売業に携わっており、その店舗があるのが繁華街として世界的にも有名な東京都・新宿だった。店舗の前に5.5m幅の歩道があるが、いつも吐き捨てられたガムで汚れていて通行人から苦情が出ることもあった。
幼い頃から見てきた新宿になんとか「歩きたいまち」の姿を取り戻したい、この思いが活動のスタートである。

ガム取り作業に潜む危険

腰をかがめての大変な作業

だが物事はそうたやすくは進まなかった。
これまでのガム取り作業はいろいろな危険性をはらんでいたのである。まず、腰をかがめ大きな力を必要とする作業は多大な身体的負担を強いるものとなる。

さらに、ガムを除去するための溶剤の中には引火点が40度と真夏の使用があやぶまれるものや、アスファルトまで溶ける強力なもので使用には工業用の手袋や顔面保護マスクが必要となるものがある。うっかり何も知らない人が素手で触ろうものなら、人体に影響を及ぼす可能性がある。
加えて環境に及ぼす悪影響も考えられる。

人にも環境にも優しく、安全に作業を行える条件をまず整えることが必要だと強く感じ始めた。

産学連携で打開の道が拓かれる

作業者にも環境にも安全な製品をいかに作り出せるかを思案していた時に、出会ったのが筑波大学である。
新宿を地元とする信用金庫が主催した異業種交流会に参加したことがきっかけとなり、ガム取り溶剤開発の道が切り拓かれた。

その時すでに衣料品販売業を撤退していた株式会社オギノと筑波大学との産学連携によって、有害物質を含まぬガム取り溶剤「除菌剤入りガム取り一番」が開発されたのである。
1年間という年月をかけて開発に至ったその溶剤は、オレンジオイル、グリコール類、天然炭化水素類、界面活性剤などの安全な成分で構成されている。

安心・安全なガムはがし作業道具を可能にした溶剤・道具

溶液の粒子が細かく路上にへばり付いたガムに数滴ふりかけるだけで、ガムが覆っていた地面まで浸透する。
さらに、溶剤の開発期間中に周辺部材の自社開発にも取り組み、ガムを路上から剥がし取るためのヘラであるオリジナルスクレーパー、金ブラシ、作業の際に指やひざを保護するためのカバー、作業中であることを示すために身に付けるゼッケンなど安全なガム取り作業のための道具を次々と生み出していった。

地域の清掃活動のためのNPO法人を設立

こうして誰もが安全にそして楽に清掃活動に参加できる環境が整えられたことから、様々な人の参加を募り「歩きたいまち」を目指した活動を進めるために設立したのがNPO法人・環境まちづくりネットである。 地域には高齢者や障害を持った人、またニートと呼ばれる人などをはじめ、社会参加の場を求めている人が大勢いる。

そんな人達とともに、記念すべき第1回目の活動を2006年12月に新宿駅東口広場の歩道清掃を行った。

歩行者の少ない早朝の時間帯の作業であったにもかかわらず、多くのボランティアや新宿エコレンジャーの協力も得て作業は無事終了。環境美化活動の一歩が踏み出された。

新宿東口の清掃にもチャレンジ

その後NPO法人環境まちづくりネットの活動は、高田馬場駅前・神楽坂商店街などの新宿区内各所、さらには豊島区池袋や他県へと場を広げている。
また、2008年3月からは新宿駅東口ガム取り活動をスタート。

東京メトロ副都心線開通に合わせて周辺のガムの掃除を行う活動を、多くのボランティアが参加して週に2日のペースで展開している。
さらに作業環境も、新たに開発した「ガム取り棒」(立ったままでガム取り作業ができる道具)によって進化を遂げ、身体への負担が大きく軽減し作業時間も大幅に短縮された。

この「ガム取り棒」を新宿区の中山弘子区長に寄贈したことがきっかけで、新宿歌舞伎町における地域での清掃活動に「ガム取り棒」を活用したガム除去作業が取り入れられることになった。
少しずつまちの美化活動の輪が広がりつつある。

活動から2年余り、ガム除去を通じたまちの美化活動は地味で根気のいる活動である。
だが、世界規模で環境保全が叫ばれる中、まちの美化・環境維持も重要なテーマとなっていくものと考えられる。

今後もNPO法人環境まちづくりネットの活動力を、株式会社オギノの商品開発力がサポートする形で地道に活動を継続していきたいと考えている。

そして、環境まちづくりネットの活動が先駆的モデルとなり、これらを普及させることによって「地域の地域による地域のための環境活動」が活発化し「そのまちを愛する人達」が結集して、安全・安心な清掃活動を通じ「まちをきれいにしたい」が形になっていくことを願っている。

平成23年2月16日新宿区主催歌舞伎町クリーン作戦に参加し、ガム取り活動通算800回目を記録しました。

平成19年1月22日からガム取りブログを開始。それから4年間で800回ものガム取りを実施してきた。しかし、まちに吐き捨ててあるガムの量は、減るどころか変わっていないように感じられる。ガムを食べることが悪いのではなく、吐き捨てるから問題となる。ガムの吐き捨てをやめよう。

今まで多くの方々が参加してガム取りを実施してきた。その際に実施したアンケートを見ると多くの方が、歩道にある黒い斑点が何だかわからないまま過ごしていたが、ガム取りに参加されて皆さん一様に「ガムだと知って驚いた・びっくりした・こんなに多いのか」と書かれている。

ガム以外の多くのゴミも歩道に捨てられる。
しかし、ガムだけは、飛び散ったりバラバラになったりせずに、吐き捨てられた時の状態でいつまでも残る。きれいな色の表面は、やがて雨や埃(ほこり)や塵(ちり)で真っ黒に変色し、靴底や車輪に踏みつけられて黒い斑点へと変化していく。我々が、ガム取り棒でガムを除去すると裏面(歩道との接触面)は、吐き捨てられた時と同じ、あのきれいな色だ。

自分たちのまちをきれいにすることは、自分たちの生活空間や仕事場の環境を良くすること、すなわち自分たちの生命を守ることだと思う。
いつまでもきれいで明るい街を築いていこう。

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ガム取り体験会感想

質問A:ガム取りに参加されて、何を思いましたか。

質問B:まち美化体験会に参加した理由をお聞かせください

質問C:捨てガムの実態を見て何を感じましたか

質問D:捨てガムの実態を見て今後の活動のヒントになることがありましたか。それはどんなことですか。